ホトケドジョウについて

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ホトケドジョウ

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写真提供:丹波地域のホトケドジョウを守る会

コイ目タニノボリ科に属する日本固有種。青森県を除く東北以南の本州に生息し、兵庫県においては丹波市のみに生息(西限)。湧水周辺の水草が生い茂る湿地や、流れの穏やかな小川に生息する。兵庫県の生息地では、里山の谷戸から流れ出す冷たい水や湧水が流れ込んでいるが、主に水田として利用されているため、圃場整備による護岸改修などで直接的な生息地の破壊による絶滅の危機に直面している。

丹波地域のホトケドジョウを守る会 (HPはこちら)

2006年、愛嬌のあるホトケドジョウの姿に惚れ込んだ有志が集結して結成し、ホトケドジョウについて調査、保護する活動をスタートさせた。丹波地域のホトケドジョウの保全の基礎となる生態の解明を事業目的とするとともに、丹波地域の貴重な動植物の保護やその環境保全にも努めている。現在会員数20名。

現状と問題点

冷水を好むことから、生息地は谷津田の上流部に点在しているが、いずれの生息地も流程が短く、面積が非常に狭いため、多様な環境が出来る場所がない。また、洪水による土砂流入などの環境変動の影響を受けやすいため、容易に絶滅する可能性が高く、危機的な状況にある。

活動内容

■ホトケドジョウの生息状況調査・生息環境調査(毎月1回)
※昨年度概要 : 調査地4地点の水質調査の結果、水温は14.7(平均)±6.2℃(標準偏差)、PHは6.7±0.6、DOは85.2±19.2%、ECは55.0±48.4μs/cm、CODは5.3±2.3 mg/Lで、昨年と比較して大きな変動は無く、概ね良好であった。捕獲調査の結果、4地点ともに通年安定して個体を確認し、夏期の調査では、すべての地点で当歳魚を確認し、個体群が維持されていた。

■生息地の環境整備(調査に併せ随時)
大雨による土砂流入によって生じる水位の低下や流入水量の減少を改善するため泥浚いを適宜実施。また、土砂の流入を防ぐため、波板などを用いて土砂流入防止のバイパス水路を設けるとともに、イノシシやシカなどの野生動物の侵入により生息環境が荒らされることがあったため、侵入口と思われる場所に柵を設置し、生息環境の維持に努めている。

■(株)ダンロップスポーツ市島工場との共同活動(危険分散)
(株)ダンロップスポーツ市島工場のCSR活動の一環として、敷地内のビオトープでホトケドジョウの保護を実施。同水系の生息地の荒廃が進んでいる別地区からの危険分散のため、実験的に3個体を放流し、生息確認後25個体再放流し現在、稚魚の確認が出来ている。

■丹波少年自然の家への個体移動(危険分散)
普及活動を兼ねた危険分散地として、丹波少年自然の家の敷地内のビオトープへ個体の移動を計画した。事前の調査でホトケドジョウを捕食する可能性のあるドンコ、ムギツクなどの生物が確認されたため、同施設職員と共に池干し作業を実施。その後、放流を行い稚魚の確認もできている。今後は、施設の環境教育イベントで本種の普及啓発を目的とした解説を行う予定であり、保全活動を周知する良い場になると考えられる。