シオマネキについて

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シオマネキ

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写真提供:とくしま自然観察の会

シオマネキ(潮招、望潮)は、エビ目(十脚目)・スナガニ科・シオマネキ属 Uca に分類されるカニの総称。オスの片方の鋏脚(はさみ)が大きくなることで知られる分類群である。シオマネキは「潮招き」。オスのダンス(ウェービング)は大きなはさみを体の前の方から上にあげて振り下ろし、この動きが、まるで満ち潮を招いているように見えたことから、シオマネキという名前がついた。ハクセンシオマネキ(白扇潮招き)は、シオマネキに比べると小型だが、白い扇を振るように、ダイナミックで複雑なダンスを披露してくれる。

とくしま自然観察の会(HPはこちら)

1994年4月設立。「この指とまれ式」の自然観察会を通して身近な自然を見直すための活動をしている。“身近な自然にむきあいながら、自然保護を考えることは、特別な人が考える、特別なことではない”をモットーにしている。

現状と問題点

吉野川河口におけるシオマネキとハクセンシオマネキの市民調査(1994年~1996年)から、シオマネキは吉野川河口から14.5km遡った第十堰までの汽水域のうち、10.5kmの地点まで生息が確認できた。しかもその個体群の生息数も安定しており、ハクセンシオマネキと同程度に生息地の空間的広がりをもっていることがわかっている。シオマネキは、干潟にヨシ原が残り、自然度が高い河口域に見られることから、干潟や河口の自然が良好な状態で保たれているかどうかの指標動物になると言われている。河川改修などによって生息地が根こそぎ壊されるのは、シオマネキなど干潟の生物にとっては一番大きな災難である。しかし干潟の底質(地面の質)が、何かの原因によって変わってしまってもそこの住めなくなってしまる。干潟の多様な生物を守るためには干潟の環境の多様性を守ることが大切だ。河口域では、場所によって、どのような泥や砂が溜まるのか、どのように干潟の形が変わるのかは、川の流れや運ばれてくる土砂、海から逆上ってくる水や波の力、地形などの複雑な関係によって決まる。最近、吉野川河口干潟周辺のごく狭い地域に、2本の道路橋建設、河口人工海浜建設など複数の人工改変工事が集中しており、環境への複合的な影響が懸念されている。

活動内容

主な活動として、吉野川河口干潟や河口汽水域の価値や生物多様性保全の大切さを伝えるために、定期的な自然観察会を開くと同時に「しおまねきコンサート」「しおまねき寄席」「写真展」「シンポジウム」「干潟塾」の開催、また干潟の大切さを伝えるオリジナル人形劇「吉野川ひがた円卓会議」の制作・上演したり、河口域における「ひとと自然とのかかわり」や「ワイズユース(賢明な利用)」の視点でのエコツアー、様々な市民調査、学校や企業の干潟観察の応援、行政への提案などを行っている。また、「吉野川しおまねき探検隊」「吉野川ひがたファンクラブ」など、吉野川干潟やシオマネキのファンを増やす活動、さらに、吉野川河口域は、ラムサール条約登録湿地として国際基準を満たしていることから、他の市民団体と一緒に四国初のラムサール登録をめざす活動をしている。